白内障
白内障は、目の中にある水晶体(カメラのレンズにあたります)が濁ることにより、物がかすんで見えたり、ぼやけて見えたりする病気です。最も多い原因は、加齢によるもので、年齢とともに誰にでも起こりますが、糖尿病やアトピー性皮膚炎、ステロイドホルモンを内服中の方、紫外線暴露の多い方などは若い年齢でも生じます。
白内障の症状
下記のような症状を自覚することがあります。
- ものがかすんで見える
- まぶしい
- 片目で見ても物が二重、三重に見える
- 眼鏡やコンタクトで調整しても、文字などが読みづらい
- 眼鏡を作っても短期間で合わなくなってしまう
- 目が疲れやすい
- 色が鮮やかに見えない
白内障の治療
根本的な治療は手術のみです。日帰りでの手術が可能です。約2mmの切開創から細い道具を入れて、(水晶体の外側の袋を残して)濁った水晶体を吸引し、残した袋の中にきれいな人工レンズ(眼内レンズ)を挿入します。特別な場合を除いて、目薬のみの麻酔で痛みもなく短時間で終了しますが、ご心配な方は注射の麻酔も併用できます。治療後は感染予防のために2週間程度は点眼治療を継続する必要があります。
過去に白内障手術を受けられた方
よく以下のような質問やお話をお聞きすることがあります。「手術後にまた白内障になることはありますか?」「白内障の手術を受けて見やすくなったけど、しばらくしてまた見づらくなりました」など。一度白内障手術を受けた方が同じ白内障になることはありません。近年の眼内レンズは(ごく稀な例を除いて)濁って交換が必要になることもありません。白内障手術後に見づらくなる原因の大半は眼内レンズを入れるために残す水晶体の袋(水晶体嚢)が濁るためです。これを「後発白内障」と呼びます。紛らわしい名前ですが、「白内障」とは全く異なります。メスを使うような手術は不要で、ほんの数分のレーザー治療で見え方を改善させることができます。もちろん、入院の必要もありません。思い当たる方はご相談ください。