緑内障
網膜の細胞が減ることで神経(視神経)がやせて、視野がかけたり狭くなったりする病気です。進行すると視力も低下します。日本人の視覚障害者の原因の中で最も多い病気です。40歳以上の13~20人に1人が緑内障を有しており、年齢とともにその割合は高くなります。よくある眼の病気の一つと言えます。進行するまで自覚症状はありませんし、進行して欠けた視野は戻りませんので、健康診断や眼科受診で早期に診断することが大切です。
主な検査
眼圧検査:眼の硬さ(内圧)を眼圧といい、正常値は10-20mmHgです。眼圧が高い人の方が速く進行しますが、眼圧が正常の人でも緑内障になることがよくあります。
眼底検査:視神経の形や出血、網膜の神経線維の欠損などを観察します。
光干渉断層計(OCT):視神経の形や網膜の厚みを観察、測定することができます。当院の光干渉断層計について
視野検査:
- 自動視野計;中心付近の視野を調べます。比較的早期からの異常検出と進行具合の評価に優れています。当院の自動視野計について
- ゴールドマン視野計;全体の視野を調べることができます。進行した症例では全体の視野を評価する必要があります。
治療
眼圧を下げて進行を遅くする目的で治療を行います。残念ながら、欠けた視野を治すことはできません。点眼、レーザー、手術の選択肢の中で、年齢、眼圧、視野、点眼薬の副作用、通院や点眼をしっかりできるかどうかなどを考慮して治療方針を決めます。点眼治療は最も基本的な治療法で、単剤、または複数の点眼薬を組み合わせて目標とする値まで眼圧を下げることを目指します。多くの方は点眼のみで眼圧をコントロールすることが可能です。しかし、その一方で、毎日1~3回きちんと点眼する必要があり、副作用(充血、しみる、まぶたの黒ずみやただれ、目の周りのくぼみなど)で悩まされることも少なくありません。近年では選択的レーザー線維柱帯形成術というレーザー治療が広く行われており、(点眼治療を経ない)初回治療の選択肢にもなっています。また、点眼治療に追加することもできます。安全性は高く、80%程度の方で有効であることが確認されています。手術は最も確実に眼圧を下げることができますが、手術特有の留意点もあります。当院ではレーザー、手術ともに日帰りで行っております。